2025年11月、メタプラネットは海外投資家を対象にB種優先株(23,610,000株)を第三者割当で発行しました。
投資家として気になるのは、やっぱりこういう点ですよね。
「普通株主にとって、今回の優先株発行って結局どうなの?」
この記事では、B種優先株の条件をわかりやすく整理しつつ、
普通株保有者にとってのメリット・デメリット、そして最終的な評価 をまとめていきます。
メタプラ株を持っている人も、購入を検討している人も、ぜひ参考にしてください。
B種優先株とは?1分でポイント整理
B種優先株には以下の特徴があります。
- 年4.9%の累積配当(四半期ごとに支払い)
- 議決権なし
- 普通株への転換権あり(転換価額1,000円)
- 上場しなければ 1,000円+未払配当 で償還請求OK
- 組織再編・上場廃止でも現金償還請求OK
- 転換は“良い場面”(株価上昇時)でしか原則起きない
簡単にまとめれば、
損しにくく、上場すれば利益を狙える“高安全性の優先株”
という設計になっています。
この優先株を、Nautical、SMALLCAP World Fund、Anson 系など世界的大手機関投資家が買い受けた形です。
普通株保有者にとってのメリット
✔ ① すぐには希薄化が起きない(転換価額が高い)
転換価額は 1,000円。
発行決議日の株価は 375円。
つまり、
- 株価が1,000円を超えるまでは転換されない
- → 普通株の希薄化は発生しない
既存株主からすると、これは非常に重要な点です。
“企業価値が伸び、株価が大幅上昇した良い場面でしか希薄化が発生しない”
これは普通株主にとってプラス。
✔ ② 調達資金(約204億円)でビットコインを大量購入 → mNAV上昇
今回の調達資金のうち 約150億円 がビットコイン購入に充当されます。
メタプラネットはmNAV(1株あたりBTC保有量)の変動が株価に直結する銘柄です。
つまり、
BTCを買い増す=普通株の価値がストレートに上がる
という構造。
メタプラ株主にとって、これは“直球のプラス材料”です。
✔ ③ BTCインカム事業の拡大 → 将来の配当負担を補える
優先株の配当は年率4.9%。
年間11億円程度の配当負担が発生します。
ただし会社は、BTCデリバティブ事業(インカム事業)で
- 第1Q:7.7億円
- 第2Q:19億円
- 第3Q:42億円
と急成長させており、この収益で優先株配当をまかなう方針。
普通株主にとっては
「配当負担で利益が吸われる」
よりも
「BTC事業で稼いだ分が成長の燃料になる」
という見方ができるようになります。
✔ ④ 議決権の希薄化がゼロ
B種優先株は 議決権なし。
議決権を薄めずに巨額の資金を調達できたことは、
既存普通株主にとって非常にメリットがあります。
普通株保有者にとってのデメリット
✔ ① 配当負担が重くなる(年間11.6億円)
優先株主へ配当が優先されるため、
普通株主への利益還元余力が減る可能性があります。
メタプラはこれをBTCインカム事業で補う方針ですが、
短期的には「利益の外流」が確実に発生します。
✔ ② B種優先株が上場できなかった場合の償還リスク
もしB種優先株が期限までに上場できなければ、
優先株主は 現金償還を請求できる 条件です。
- 1,000円 × 23,610,000株 = 236億円以上
- 未払配当を入れるとさらに増加
これは普通株主にとって
最悪のキャッシュ流出リスク となります。
もちろん会社は
- クレジットファシリティ(借入枠)
- 他の優先株利用のリファイナンス
- BTCインカム収益
などで「十分対応可能」と説明していますが、
心理的にはマイナス材料となり得ます。
✔ ③ 株価1,000円以上になれば希薄化は避けられない
株価が大幅上昇すれば、
普通株に転換され 約2%程度の希薄化 が起きます。
ただしこれは
良い場面(企業価値UP時)での希薄化
なので、実質的にデメリットとは言い切れません。
結局、普通株主にとってプラスなのか?総合評価
では、総合的にはどう評価できるのでしょうか。
短期:ややマイナス
- 優先株への配当負担が増える
- 償還リスクが気になる
- 株価がすぐに反応しにくい
中期〜長期:明確にプラス(BTC戦略を信じるなら)
- 調達資金でBTC大量購入
- インカム事業の収益が配当負担を超える可能性
- 希薄化は株価1,000円超の“ハッピー場面”でのみ発生
- 世界の一流投資家が参戦し、信頼性が向上
- 普通株の市中発行よりはるかに希薄化を抑えた資金調達手法
一言でまとめると…
短期は重いが、中長期では普通株主が最も恩恵を受ける構造。
BTCの価値上昇を本気で取りにいくための資金調達。
メタプラの経営は“BTCトレジャリー戦略”の強化に完全に舵を切っており、
今回の優先株発行はそのための大きなステップです。
普通株主にとっては、
BTC戦略が成功するなら一番利益を享受できる立場 であることに変わりありません。
