新興企業が集まる東証グロース市場では、個人投資家との距離を縮め成長を後押しする目的で、ユニークな株主優待を新設するケースが増えてきそうです。ビジネスモデルと株主優待を絡めることで自社ファンを株主化しやすいのもグロース銘柄の特徴です。ここでは、現在優待なしだが潜在株主優待ニーズが高そうな企業をランキング形式で取り上げ、優待新設の期待理由と予想内容を紹介します。(東証プライム市場編はこちらから)
3位:マクアケ【4479】
推奨理由:クラウドファンディングのリーディングカンパニー、支援者コミュニティ強化策。
国内最大級のクラウドファンディングサイト「Makuake」を運営するマクアケは、社会貢献志向の個人投資家からも注目されています。同社はまだ優待を導入していませんが、プラットフォーム参加者(プロジェクト支援者)の中には企業のファンとして株式も保有したい層が一定数存在すると考えられます。実際、プロジェクト成功のお礼として支援者限定リターンを贈る文化があり、それを発展させ株主にもリターン(優待)を提供すれば、より強固なコミュニティ形成が可能でしょう。
予想優待内容: Makuakeで使える応援ポイントの付与が考えられます。例えば毎年一定額の「Makuakeクーポン」(支援金に充当可能)を株主に配布し、気になるプロジェクトを支援してもらう仕組みです。これにより株主がサービスを利用し続け、プラットフォームも活性化します。また株主限定プロジェクトの実施も面白いでしょう。株主だけが支援できる特別プロジェクトを立ち上げ、新商品をいち早く入手できる権利や、起案者との交流イベント参加権を優待にする、といった具合です。株主とサービスを双方向に結びつける優待が期待できます。
優待新設の根拠: マクアケは「共創」がキーワードの企業であり、株主優待も株主と企業を共創関係にするツールになり得ます。優待により株主=熱心な支援者が増えれば、サイト上のプロジェクト成功率アップや話題作りにもつながります。上場維持基準の観点でも株主数拡大は重要で、ユニークな優待は個人投資家呼び込みに効果的でしょう。何より、自社サービス内で完結する優待はコスト負担も比較的軽く、経営を圧迫しにくい優待として実現性が高いと考えられます。
2位:BASE【4477】
推奨理由:ユーザーコミュニティを株主に取り込む、新興ECプラットフォームの施策。
ネットショップ作成サービス「BASE」を運営するBASE株式会社は、個人・小規模事業者に支持され急成長したグロース企業です。現在優待はありませんが、サービス利用者=株主という関係構築の潜在力は大きいでしょう。競合のメルカリが株主向け優待を実施(携帯プラン無料等)している例もあり、BASEとしても熱心なショップオーナーやユーザーを安定株主化するインセンティブは高いと考えられます。個人投資家へのIR姿勢も積極的で、将来的な優待導入に前向きな企業風土です。
予想優待内容: BASEで使えるクーポンやポイント付与が最有力です。株主が自分のBASEショップで利用できる出店手数料の割引クーポンや、購入者としてBASEマーケットで使える割引ポイント(例えば年◯円分)が考えられます。さらにショップオーナー株主向けに決済手数料優遇や宣伝サポート(人気ランキング掲載権)など、ビジネス支援型の優待もユニークです。BASEコミュニティ主催の株主限定勉強会招待などを通じて、株主=ユーザー同士の交流を促す施策も期待できます。
優待新設の根拠: グロース市場企業らしく、株主優待も自社サービスの延長線上で捉える発想があります。BASEにとって自社利用者こそが事業の柱であり、優待で利用者のロイヤリティを高めつつ株式も長期保有してもらえれば一石二鳥です。同社は株価変動が大きく流動性確保が課題とされますが、優待新設によって個人株主数と株主数基準の充足に寄与する効果も期待できます。新興EC企業ならではの斬新な優待内容で市場を驚かせてくれる可能性は十分でしょう。
1位:フィットイージー【212A】
推奨理由:IRイベントで優待示唆、フィットネス会員を株主化へ前進。
地方発の24時間ジム運営で急成長中のフィットイージーは、昨年名証IRフェアにて優待新設の可能性に言及があった銘柄です。実際IR担当者が「優待新設がありそうだ」と示唆していたとの情報が伝わり、個人投資家の間で話題になりました。フィットネス業界では既にRIZAPグループが優待を活用しており、自社サービスと株主還元を結びつける流れがあります。フィットイージーも会員数拡大と株主数拡大を両立すべく、優待制度に踏み切る可能性が極めて高いでしょう。
予想優待内容: 自社ジム無料利用券が筆頭です。例えば株主本人または紹介者が使える月間フリーパスや、契約プランの無料アップグレード券などが考えられます。あるいは周辺サービスとして、プロテインドリンクやフィットネスグッズの株主特別セットを贈呈するのもユニークです。加えて、全国相互利用が特徴のジムなので、遠方株主向けに提携温泉施設やゴルフ施設の割引券を組み合わせるなど、健康志向の株主ライフを応援する優待になるでしょう。
優待新設の根拠: フィットイージーは上場後初の配当も計画するなど株主還元に前向きで、優待新設は既定路線との見方も出ています。業績は順調に伸びており、新NISAで投資余力が増えた個人にアピールする好機です。何よりフィットネス業界自体が優待との親和性が高く、健康ブームに乗せて優待で会員を惹きつけ、そのまま株主になってもらう戦略は理にかなっています。IRイベントでの示唆が現実となる日も近いかもしれません。
※ランキング基準:グロース市場上場企業の中から、「ブランド力やユーザーベースが強く、優待による相乗効果が見込める銘柄」を選出しました。成長企業ならではの創意工夫ある株主優待が今後登場することを期待しつつ、独自に予想したものです。グロース企業にとって株主優待はコスト面の悩みもありますが、優待新設により個人投資家の支持を得るメリットは測り知れません。今後の各社IR発表にもぜひ注目してください。

